〒090-0837 北見市中央三輪2丁目302-1 医療法人社団高翔会 北星記念病院 内   TEL 0157-51-1244(センター直通)
 
活動報告

令和元年度活動報告

(1)地域の医療・介護の資源の把握
 訪問看護、在宅ケアマネ、調剤薬局、入退院支援の4つの分野別ワーキングチーム会議の開催に先立ち、分野ごとの課題等について調査を実施し、訪問看護、在宅ケアマネジメント、入退院支援、調剤薬局の4つの分野に対し事前に調査を実施し、資源の把握を行いました。

  ○訪問看護分野
介護保険利用者総数は557名、月間2,560件の訪問を実施(令和元年5月実績、利用率15%)となっていました。また事業所全体で今後10名の看護師を増員し100名程度の利用者を訪問したいことが分かりました。

○在宅ケアマネジメントワーキングチーム
訪問診療を受ける可能性のある利用者として、「通院介助に身体介護をつけている」「EV無しの集合住宅に居住」「家族付添いが難しい」「受診すると疲労で2~3日体調が悪くなる」という利用者が229名いました。

○入退院支援
令和元年7月の65才以上の総退院患者数(北見市民のみ)は死亡退院者60人を除き921名で、このうち自宅退院は724人で自宅退院率は78.6%でした。また、施設から来たが医療処置などで元の療養先へ戻れなかった(転院など)患者は14人/月いました。

○調剤薬局
市内46の調剤薬局のうち、在宅業務(訪問薬剤指導など)の実施薬局は24薬局 (45.6%)あり、令和元年9月に在宅業務をした患者は111人、のべ192件行っていました。

 事件把握の後、医療・介護連携の課題抽出と対応策を検討するため、医療機関、薬剤師会、訪問看護ステーション連絡会等に対し、情報交換・連携を21回実施するとともに、4つの分野別ワーキングチーム会議を開催しました。

(2)医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
 4つの分野別ワーキングチーム会議を開催し抽出された医療・介護連携の課題は以下の通りでした。
  1. 訪問看護先で得た疾病悪化改善の提案などの訪問看護からの情報提供がケアプランへ反映されにくい(訪問看護)
2. 訪問看護を開始するための手順が訪問看護ステーション及びケアマネ間でバラバラなので手間がかかっている(訪問看護)
3. 医療系サービスを活用したいが、利用者が納得できる説明が難しい(在宅ケアマネ)
4. 通院で身体介護を使うなど、通院困難な利用者が増加している(在宅ケアマネ)
5. 心不全など慢性疾患患者の退院指導をするが再入院者が減らない。(入退院支援)
6. 医療処置を必要とする患者の退院先がない、元の施設も受け入れない(入退院支援)
7. 薬剤師による在宅業務が可能だが、医師やケアマネから活用されない(調剤薬局)
8. 処方医への報告が一方通行、薬剤師を活用して欲しい(調剤薬局)

(3)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
 医療・介護連携の課題に対する連携体制の構築として、訪問看護を開始しやすくし、訪問看護を必要とする多くの利用者がサービスを受けやすくするための手順の整備を行いました。

(4)医療・介護関係者の情報共有の支援
 医療機関を訪問し、介護支援専門員が利用者の入院時に医療機関へ提出する「入院時情報提供書」を北まるnetで受診して頂くよう医療機関へ働き掛けを行いました。

(5)医療・介護連携に関する相談支援
 センターに直通電話を設置し、医療機関、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所や訪問看護ステーションなどからの相談に対応しました。
13件の相談件数に対し、44種類の相談があり、相談依頼者は介護支援専門員が最も多く、医療処置のある方の療養場所の選択に関する相談内容を多くお受けしまた。

(6)医療・介護関係者の研修
 北見赤十字病院が主催する「令和元年度心不全患者に関わる多職種連携研修会」の開催に協力しました。 また北見市が主催した「令和元年 医療介護に関わる多職種連携研修会」にて「退院支援・ケアプラン作成における医療系サービス活用の現状と課題」について報告しました。
センター主催の分野別ワーキングチームの活動を医療介護関係者へ周知し、地域課題を共有する「きたみ医療介護連携推進セミナー」を令和2年3月10日(火)に開催予定としたが、新型コロナウィルス感染拡大防止を理由に開催を延期した。

(7)地域住民への普及啓発
 北見市医療福祉情報連携協議会が主催する「持続可能な地域を考える―生活習慣病と介護予防―」をテーマとした、市民フォーラム(令和元年10月12日開催)について企画調整及び運営の協力を行った。


訪問看護開始手順(介護保険に限る)の標準化への取り組み

現状と課題
 訪問看護サービスを開始する手順がバラバラのため、ケアマネジャーと訪問看護事業所の両者に業務の煩雑化をもたらしていることが分かりました。
そのほか、疾病予防・重症化予防として訪問看護が有効ですが、ケアマネジャーが気づかないケースがあり、潜在的な利用者が脱落している可能性が考えられました。
また、ケアマネジャーが訪問看護を利用すべきかどうかの際に相談できるルールがないことがあり、(ケアマネジャーは訪問看護利用を決定してからでないと訪問看護事業所へ相談しづらい傾向があることも分かりました。
さらには、訪問看護を利用する理由(アセスメント)が標準化されておらず、ケアマネジャー側から主治医や訪問看護師に活用理由を具体的に示しづらくなっており、依頼された側(訪問看護側)で改めて利用者を訪問してアセスメントしていました。
ケアマネジャーは主治医へ対して、訪問看護利用に際し、主治医の意見を確認するための方法 (同行受診、連絡票活用、連携室での調整など) を実施していますが、特に主治医へ提出する連絡票の記載内容が訪問看護の必要性が伝わらない場合があり、医療機関側でケアマネジャーへ情報を収集していました。
なぜそうなるのかを探ると、現在北見市で使用してている「主治医⇔ケアマネジャー連絡票」では、訪問看護開始理由はケアマネジャーの自由記載となっており、必要項目が定型化されていませんでした。

体制構築の方法
 まず、訪問看護開始に際し、ケアマネジャーが行う手順を標準化し、ケアマネジャーが行う役割を明確にしました。
次に、多くのケアマネジャーが訪問看護サービスを活用し易くするためにケアマネジャーのアセスメントや判断をまとめた「訪問看護相談票・利用申込書」を定型化した利用申し込み書として活用することを提案しました。
さらに訪問看護をはじめ、医療系介護保険サービスの利用には医師の承諾を得る方法のうち、ケアマネジャーが主治医へ照会し、主治医の意見を確認する方法として、従来の自由記載の様式を改変し、「訪問看護が必要と考えた利用者の生活状況」を項目にし、ケアマネジャーがどのような状況をみてひつようと判断したかが主治医へ分かるような様式を作成しました。
上記の新ルールを関係機関等へ説明、周知し理解を求めるため、「訪問看護・在宅ケアマネジメント・入退院支援合同ワーキングチーム会議」を開催し、「訪問看護開始にかかる手順・様式等の課題」の検討を行い令和2年度より実施する予定としました。


令和2年度事業計画

(1)地域の医療・介護の資源の把握
  ○ 北見市が作成する「平時における連携窓口一覧表」の作成及び周知に協力する。
○ 北海道薬剤師会北見支部が発行する「訪問薬剤指導可能薬局リスト」の変更や訪問実績等について把握を行う。

(2)医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
  ○ 訪問歯科診療の活用における課題抽出
訪問歯科診療の現状と課題について、サービス利用拡大を前提とした診療提供側の課題と、利用者側のニーズについて課題抽出と対応策の検討を行う。
○ 通院困難患者の調査と課題抽出
通院困難利用者の実態、訪問診療や通院介助サービス量の需要及び供給量、供給増へ向けた関係者との課題抽出や対応策の検討を行う。
○ 施設等ワーキングチーム会議の開催
 医療処置が必要となり医療機関から退院する患者・利用者の施設受け入れ対応や看取り等の対応について、施設側の課題を抽出し対応策を検討するために「施設等ワーキングチーム会議」を開催する。

(3)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
  ○ 医療処置患者の退院先拡大へ向けた体制の検討
医療処置が必要となった医療機関から退院する患者、利用者の施設受け入れ対応について、施設側の抱える課題を調査し、当該利用者が施設サービスを利用できる量を増加する提供体制へ向けた活動を行う。
○ 訪問看護開始手順に関する運用支援と評価
令和2年4月より運用開始予定となった「訪問看護相談依頼票」における使用状況の評価を訪問看護及び在宅ケアマネジメント等との合同ワーキングチーム会議を開催し、運用等の修正、ルールの検証や評価を行う。
○ 調剤薬局及び在宅ケアマネジメントとの合同ワーキングチーム会議の開催
調剤薬局及び在宅ケアマネジメントとの合同ワーキングチーム会議を開催し、北海道薬剤師会北見支部が発行した「訪問薬剤指導可能薬局リスト」の活用を推進する方法を実施する。

(4)医療・介護関係者の情報共有の支援
  ○ 訪問看護とケアマネジャー間の患者、利用者情報の共有支援
訪問看護事業所とケアマネジャーへの連絡ツールとして、北まるnetの活用方法の伝達と端末環境の設定を北見市医療福祉情報連携協議会と連携して実施する。

(5)医療・介護連携に関する相談支援
  ○ 訪問薬剤指導におけるケアマネジャー等からの相談窓口対応
訪問薬剤指導の活用を通じた疾病予防、重症化予防に資するため、北海道薬剤師会北見支部が発行した「訪問薬剤指導可能薬局リスト」の活用やケアマネジャー等からの事前窓口等の役割を当該団体と連携し対応する。
○ センターが実施している活動や、相談支援の内容等をニュースレターに掲載し、相談支援の周知を行う。

(6)医療・介護関係者の研修
  ○ 心不全多職種連携研修会への開催協力
心不全患者の再入院を地域の多職種で予防することを目的として北見赤十字病院が開催する「心不全多職種連携研修会」へ共催として協力を行う。
○ 医療系サービス活用のための小規模勉強会の実施 在宅ケアマネジャーを対象とした訪問薬剤指導や訪問看護等、医療系サービスの活用法についての小規模単位の勉強会を関係職能団体等の協力を得て実施する。

(7)地域住民への普及啓発
  ○ 北見市医療・介護連携推進事業に係る普及啓発委託事業開催への協力
北見市医療福祉情報連携協議会が北見市から委託を受け実施する地域住民を対象とした「北見市医療・介護連携推進事業に係る普及啓発委託事業」開催への協力を行う。

 
お知らせ

令和2年度 北見市医療・介護連携代表者会議を開催します

 北見市では平成28年より入退院連絡ルールを開始し、医療機関・在宅ケアマネジャー連携会議を年1回開催し、連絡ルールの協議をしています。
また、令和元年6月より北見市医療・介護連携支援センターが設置され、医療介護連携に関する課題の抽出と解決への取り組みを開始し、訪問看護開始時における介護支援専門員らの手順について整理を行いました。
これらの手順の周知や北見における医療介護連携の抽出された課題等の共有をはかることを目的として実施します。

日 時:令和2年5月18日(月) 18:30~20:30
場 所:北見市民会館 小ホール


詳細は別添PDFを参照ください

 
ごあいさつ

ごあいさつ

 高齢者になると疾病にかかりやすくなるとともに、介護が必要となる状態にも陥りやすくなります。医療サービスと介護サービスは別々のものでなく、暮らしのなかで一体として提供される必要があるでしょう。
 こういった状況を踏まえ、北見市では要介護状態になってもできる限り住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、国が施策としている「在宅医療介護連携推進事業」において、医療と介護の専門知識を有するコーディネーターを配置する「北見市医療・介護連携支援センター」を設置することで、医療と介護の連携を推進することとなりました。
 本事業の実施において、他の市町村などは医師会や地域包括支援センターなどが行政の委託を受け実施していますが、北見市では当法人(医療法人社団高翔会 北星記念病院)がこの業務を受託して実施することととなりました。医療・介護保険関係者と密接に協力し合い、地域住民の皆様が少しでも長くご自宅等で暮らせるように関係機関との協力体制を構築して参りたいと思います。

2019.6.1
北見市医療・介護連携支援センター 
センター長 関 建久


センターについて

【事業の概要】
 北見市医療・介護連携支援センター運営業務委託

【事業の目的】
 医療と介護の両方のサービスを必要とする高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療と介護の専門知識を有するコーディネーターを配置する「北見市医療・介護連携支援センター(以下「センター」という。)」を設置することで、医療と介護の連携を推進する。

【設置場所】
 医療法人社団高翔会 北星記念病院 内 (北見市中央三輪2丁目302-1)

【業務内容】
 北見市医療・介護連携支援センターは国の「地域支援事業実施要綱」等に基づき、以下のことについて医療・介護関係機関及び住民の皆様と以下のことについて取り組みます。
  (1)地域の医療・介護の資源の把握
 北見市内の医療機関、介護事業所等の住所、機能等を把握し、これまでに市が把握している情報と合わせて、リスト又はマップを作成する。なお、作成したリスト等は、医療・介護関係者間の連携等に活用する。
(2)医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
医療・介護関係者等が参画する会議を市と連携して開催し、医療・介護連連携の現状の把握と課題の抽出、解決策等の検討を行う。
(3)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
地域の医療・介護関係者の協力を得ながら、切れ目なく医療と介護サービスが一体的に提供される体制の構築に向けて、入退院時支援・平時の療養支援・看取り支援などについて具体的な取り組みを企画・立案する。
(4)医療・介護関係者の情報共有の支援
 すでに運用している北見市入退院連絡ルールや新たな情報共有ツールを検討・整備するとともに、北見市医療福祉情報連携協議会が運営する「北まるnet」などを活用した医療・介護関係者の情報共有を支援する。
(5)医療・介護連携に関する相談支援
 地域の医療・介護連携を支援する相談窓口の運営を行うために、医療・介護の連携を支援する人材を配置し、地域の医療・介護関係者、地域包括支援センター等からの、医療・介護連携に関する事項の相談を受け付ける。
また、高齢者等が退院する際、必要に応じて、地域の医療関係者と介護関係者との連携の調整を行うほか、患者や利用者又は家族の要望を踏まえ、地域の医療機関や介護事業者等の紹介を行う体制を構築する。
(6)医療・介護関係者の研修
 医療・介護関係者の連携を推進するため、多職種でのグループワーク等の研修のほか、医療関係者を対象とした介護に関する研修や、介護関係者を対象とした医療に関する研修等を行う。
(7)地域住民への普及啓発
 在宅医療や医療・介護連携に関する講演会の開催のほか、パンフレットの作成・配布等により、在宅医療や医療・介護連携について、市民の理解が高まるよう取り組む。

【その他運営にあたっての具体指針】
 地域支援事業の実施について(平成18年6月9日付老発第0609001号) 「地域支援事業の実施について」の一部改正について(平成31年4月26日付老発第0426第5号) 「在宅医療・介護連携推進事業の手引」(厚生労働省老健局老人保健課)

 
ニュースレター

 北見市医療・介護連携支援センターではこの度、開設2年目を迎え、センターの活動や医療介護支援に係る様々な話題を定期的にお知らせすニュースレターを発行することといたしました。年3回の発行を予定しておりますので、お付き合い下さいますようお願い申し上げます。
     
第1号 2020.5.25発行
   
   
ごあいさつ
令和元年度事業について
訪問看護手順の標準化と使用文書の変更について
令和2年度の事業について
相談内容の紹介
投稿「在宅生活を継続できるケアマネジメントの力を磨く」
   

 
BLOG

センター長が感じた医療介護連携に関わるつぶやきです

お役立ち連携書式集

 北見市医療・介護連携支援センターでは医療系サービスとの連携推進のため、以下の書式を作成し、関係機関への活用を進めています。 順次新しい様式が作成されたり、または改定した場合に掲載いたしますので、是非ご活用ください。
なお、「北まるnet」が「有」となっている書式については電子化で作成することが可能です。「リンク」先の北見市医療福祉情報連携協議会のホームページより様式をダウンロードしてご使用ください。

No. 様式名(様式名をクリックするとダウンロードできます) 発信者 相手 様式 北まるnet
1 入院時情報提供書(北見市参考様式1 R2年度改訂版) 居宅ケアマネジャー 医療機関
2 訪問看護相談票・利用申込書 様式1 居宅ケアマネジャー 訪問看護
3 主治医⇔ケアマネジャー連絡票(訪問看護サービス利用に関わる医師意見)様式2 居宅ケアマネジャー 医療機関